1972-06-01 第68回国会 参議院 大蔵委員会 第29号
たとえば生活費の面では、ある程度の年金を出すことによりまして、まあ食べるほうの心配がない、病気になったときには医療はただで見てもらえる、それから住まいも、隠居部屋ぐらいは何とかつくりやすくするというようなことによりまして、お年寄りも一緒に生活しやすくする条件をつくる。そういうような努力をやはり今後ともやらなきゃいかぬというふうに考えております。
たとえば生活費の面では、ある程度の年金を出すことによりまして、まあ食べるほうの心配がない、病気になったときには医療はただで見てもらえる、それから住まいも、隠居部屋ぐらいは何とかつくりやすくするというようなことによりまして、お年寄りも一緒に生活しやすくする条件をつくる。そういうような努力をやはり今後ともやらなきゃいかぬというふうに考えております。
その原因の多くは、貧困と老後をはかなんで、特に住宅難が影響いたしておりますから、七十歳以上のおじいさま、おばあさまをかかえる孝行むすこには隠居部屋つきの公団を優先的に提供することが絶対に必要であると思うのでございます。家つき、カーつき、ばばあ抜きなどというのはもってのほかのことでございます。こういうやつらの結婚式には私は決して祝辞など述べません。
この自殺もどういうことかといえば、これは世をはかなんで、子供に嫁がくる、そして新婚旅行から帰ってくる、三畳の隠居部屋すらなく、世をはかなんで、そして自殺する、その数がかくのごとき数、世界第一位。これもやはり道路問題であり住宅問題でございます。交通難のために命を捨てる子供たちの数は、病気で死ぬ数に劣らないというような状況にある。その緑のおばさんがまたひかれて死んでしまう。
その自殺の原因を調べると、結局、長男が嫁をもらった、新婚旅行から帰る、四畳半の隠居部屋一つ確保されなくて、世をはかなんでという理由が非常に多いのでございます。私はある教育学者に会いましたら、帆足さん、ほんとうに学者というものは弱いものです。
新婚旅行に行って、さて帰ってくる場所といえば、三畳の隠居部屋もない。世をはかなんで自殺する老夫妻も多いことを統計で知って、心痛まぬものがあるでしょうか。したがいまして、政府当局は今年度の予算におきましても、住宅建設に相当意を注いでおることは多といたしますけれども、その方針につきまして、大東京の立場から考えまして、御注意を促し、御要望したいことは、住宅問題の最も困難な点は土地の問題でございます。
特にお年寄りをかかえているおうちでは、わずか三畳か四畳半の部屋でも、お年寄りの隠居部屋が一部屋あるだけで、家庭の中の空気がすがすがしくなる。こういうことが三十年、四十年前の東京市民の生活、日本国民の生活でありました。今日五十坪なり百坪、また二百坪のうちに住みますと、まず大体それはカタツムリのからのようなものでありまして、わが身についたものでございます。
子供が嫁をもらったら、年寄り夫婦の住む隠居部屋もない。世をはかなんでくびれて死ぬ年寄りのことを思うとき、楢山節考という奇妙な小説が二十年前にはやったのも、あれは詩人の直感力であったかと思わせられるくらいです。
この点は一例を申し上げますと、一つの家の中で、隠居部屋、子供の部屋とか、御主人の書斎であるとか、そういうようないろいろの部屋をわけまして、その場合にみなの部屋にそれぞれ食事をするところ、便所であるとか、あるいは出入口、玄関というものをつけるのが、従来の目的による分類の仕方であつたのに反しまして、むしろ子供が遊ぶ場所、あるいは御隠居さんがそこでひまにまかせていろいろな本を読んだり、自分の道楽をやる、あるいは